日付 | 2020/11/28(土)10:00~12:00 |
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講座名 | 植物博士と歩く!秋の自然観察会~紅葉~ |
講師 | 岐阜県立森林文化アカデミー教授 柳沢直 |
紅葉も終盤となった晩秋の半日、遺産の森の木や草を観察する講座を行いました。
紅葉の代名詞であるカエデとモミジは植物学的には同じもので、日本には種類が多いこと、「カエデ」が「カエルの手」のような葉の形から名づけられたのに対し、「モミジ」は、紅葉・黄葉することを意味する「もみず」という古語に由来する呼び方であることなどを教えてもらいました。黄葉は葉緑素が分解し隠れていた黄色の色素が現れたもので、紅葉は日光に当たった葉の糖分が酵素の働きでアントシアニンという赤い色素に変化したもの、ということも聞きました。この酵素の有無や量は植物によっても違い、もともとこの酵素を持っていない植物は、いくら日光にあたっても赤くはならないそうです。また、黄葉といっても色がうすく、落ち葉が甘く香るタカノツメについても、その仕組みも含めて説明してもらえ、参加者たちはメモやノートを真剣に取っていました。
そのほか、小さな花を咲かせていたシキザクラや、他の落葉樹と異なり冬になると枝ごと落としてそこから新芽を出すウワミズザクラ、ドングリの中身、アカマツの樹形、菌類と藻類の共生である地衣類、クチナシの実とその色素など、参加者の何気ない質問から次々と興味深い植物のお話が飛び出しました。
歩いた距離はほんの数百メートルでしたが、各務野自然遺産の森に生育する豊かな植物のあれこれを学ぶことができ、参加者からは「春になったらまた見に来たい」という声が上がっていました。
自然体験塾は、これからも新型コロナウィルス感染症対策を施しながら、大人も子どもも一緒に楽しめる講座を開催していきます。講座カレンダーをチェックして、ぜひご参加ください。